Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
よっぽど駄賃を貰わなけりゃあ合わん仕事だよ」
「大人の読むアラビアン・ナイトって、子供のとまるきり違うんですか、お父さん」
高夏の言葉におぼろげながら好奇心を感じたらしい弘は、さっきから父の手の蔭になった挿絵の方へ探るような眼を光らしていた。
「違うところもあるし、同じところもある。―――アラビアン・ナイトと云うものは全体大人の読む本なんだよ。その中から子供が読んでもいいような噺だけを集めたのが、お前たちの持っている奴さ」
「じゃあ、アリババの話はある?」
「ある」
「アラディンと不思議なランプは?」
「ある」
「『開け、胡麻』は?」
「ある。―――お前の知っている噺はみんなある」
「英語だとむずかしくはない? お父さんはそれをお読みになるのに幾日ぐらいかかるんです」
「お父さんだって此奴をみんな読みはしないよ。面白そうな所だけを捜して読むんだ」
「しかし読むから感心だよ。僕なんかとんと忘れちまったね。英語なんてものは商売の外には使う時がないんだから」
「それが君、こういう本だと誰でも読む気になるから奇妙だよ、こつこつ字引きを引きながらでも。………」
「いずれ君のような閑人のやる事だな。