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Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

それはどうも仕方がないわ」

「阿曽君の前では無論娼婦型の方が出るんだろうな」

「そうでしょう、きっと」

「夫婦になると、それが案外そうでなくなりはしないかしらん?」

「阿曽とだったら、そんなことはないと思うわ」

「けど、人の細君であるうちは妙によく見えるもんなんだ。今のあなたがたは遊戯の気分でいるんだからな」

「結婚したって遊戯の気分でいられやしない?」

「それがそう行けばいいけれどね」

「そう行くつもりよ、あたしは。―――結婚と云うものを非常に真面目に考え過ぎるからいけないんじゃない?」

「じゃあ飽きたらば又別れるか」

「そうなる訳ね、理窟の上では」

「理窟の上でなく、あなた自身の場合には?―――」

フォークを動かしていた彼女の手が、胡瓜の一ときれを突き刺したまま急に皿の上で止まった。

「―――飽きる時があると思うんですか?」

「あたしは飽きないつもりなの」

「阿曽君は?」

「飽きないとは思うけれど、『飽きない』と云う約束をするのは困ると云うの」

「それでもいいんですか、あなたは?」

「あたしにはその気持はよく分るのよ。そりゃ『飽きない』って云ってしまえばいいんだけれど、自分は恋愛の経験は今度が始めてなんだから、今のところでは永久に変らないような気がしていても、実際それがどうなるものか、先のことは自分にも分っていない。