Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「では、その訳いって頂戴、どうしてお会い出来ないかということをね。」

「おばさまは、ゆうれいでしょう、だからお会いになれないのでしょう、ほら、へんなお顔になったわ、むかしのゆうれいは、川のそばの柳の木の下にいたけれど、このごろは、ビルの中からも出ていらっしゃるわね。」

「そのゆうれいが物を言うのね、ほほ、でもあなただってゆうれいじゃないこと。」

「あたい、生きてぴんぴんしています、何でも食べているし、決して逃げたりなんかいたしません。」

「いたしませんけれどね、人間に旨く化けていらっしゃるじゃないこと。」

「ばれちゃったわね、おじさまが小説の中で化けて見せていらっしゃるのよ、もとは、あたい、五百円しかしない金魚なんです。それをおじさまが色々考えて息を吹きこんで下すっているの、だから、水さえあれば何処にでもお供が出来るんです、そしてあたい、甘ったれるだけ甘ったれていて、何時も、おじさまをとろとろにしているの、おじさまもそれが堪らなくお好きらしいんです。」

「あの方は元からそういう方なのよ、めだか一尾水盤に入れて、いち日じゅう眺めていらっしゃるような方なのね、何が面白いんだか判らないけど、飽きることもないらしい、そして突然顔をあげると街の中を歩くために、お家から飛び出しておしまいになる、……」