Japanische Klassiker mit Furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lesen Sie 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.147 Zeichen · 298 Bildschirme
獅子は百獣の王、その毛を持っていれば、さすがの狂犬も慴伏して寄りつかぬというのだ。掌に虎の字を書く往昔の落語を思い出される。その他、猩々の鼻や豹の爪、翡翠の死体、鶴の抜け羽と種々のものをもらいに行くが、翡翠の死体を黒焼きにして飲むと肺病がなおるとか、動物園でも死にしだい塩漬けにしておくそうだ。豹の爪、猩々の鼻の望みばかりは全くわからぬが、これも迷信の一例として、飼養の狐に夕暮れごろ、看守の男の目を盗んで赤飯、油揚げを供えに行く者もある。この始末がずいぶん厄介で、往々にしてお稲荷様が胃腸病にかかられる。そして、おかしいことには、油揚げはあまり好かれぬそうな。この類の迷信として、飼養している白蛇にこんな話もあったと。あの白蛇は山口県の吉川藩のお米倉にできる本統の「巳さん」で、名古屋辺りの人造白蛇でない、目の赤い純白のもの。同地方ではだれ一人、この蛇を捕らえるものもなければ、殺すものもないが、ただ一人、酒五升と金子十円の謝礼でこの「巳さん」を捕らえる男がある。広島市の藤岡某。この男に頼んで五匹だけとってもらい、地方を巡業して一家生計の資本としていた。それを動物園で買い取ったのだが、そのとき先方は、祀ってくれるなら譲るといって、ずいぶんと動物園に手を焼かせたという。