Japanische Klassiker mit Furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lesen Sie 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.147 Zeichen · 298 Bildschirme
て、あなたの壁際に年ごろ二十あまりともおぼしき女の、鮮血にまみれておどろの黒髪振り乱し、いとものうらめしげににらまえたる眼光のすさまじさ。見るより客の驚きはたとえんに物なく、たちまち五体打ちすくみて、覚えずひと声絶叫せしかば、楼下に臥したる宿の主人、この物音に驚きて、いそぎくだんの客の間に走り行き見れば、客はすでに面色土のごとくなりて声もえ立てず、冷汗身を浸して打ち伏しいたりという。しかるに、このことありてより三年後、またたまたま一客あり、この楼に宿せしが、この人(これも当時郡書記をつとめいたる人)は、かつて前の怪事を耳にしたることなかりしなり。さてその夜、床に入りていまだ眠りに就かず、ほのぐらき灯火の光に、あたりの屏風、襖の絵など打ち眺めいたる折しも、立て切りある襖の間より、白く細長き女子の腕現れ出でたり。宿の下婢などの戯れならんと思いければ、ただ黙して注視しいたるに少時して隠れたり。しかるに、これと同時に隣室に泊まり合わせたる客人(県会議員某)、たちまちひと声高ぐ叫びて急に人を呼ぶもののごとし。前なる客は驚きて声を掛け、ゆきてその故を問うに、隣客の答うるよう、『われ今、夢に墓場を過ぎしに、墓石の間より白く細長き女子の腕現れて、わがたもとを引くに驚きて振り放たまくすれども、五体すくみて動くことかなわね