Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
森の中の格闘のあとで、うちに帰ったときうわぎのポケットに入れておいたナイフが、なくなっていたのです。
えんぴつをけずる小さなナイフですが、あのとき木のかげにかくれていて、格闘を見ているあいだにおもわずそのナイフを手に握っていたのです。べつにそれで、ヨタモノをきずつけようというわけではなく、ただ、ひとりでに手がそこへいってナイフを握りしめていたのです。そのときは、もとのポケットに入れておいたつもりでしたが、あわてていたので、うっかりおとしてしまったのかもしれません。
そのナイフは、外がわにシカの角がはりつけてあるのですが、わるいことには、そのシカの角の表面に、じぶんの名がローマ字でK・MIYATAと、ほりつけてありました。
もし、あのナイフを悪ものにひろわれたら、賢吉君が鉄の箱をかくしていることを、さとられるかもしれません。それで、あくる日、昼の間に森の中へいって、そのへんをくまなくさがしたのですが、ナイフは、どこにもおちていませんでした。あのヨタモノが、あとからやって来て、ひろっていったのではないでしょうか。賢吉君には、それがただひとつの心配でした。