Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
小林少年と賢吉少年は、上甲板に出て、船尾にあわだつ白い波を見ながら、かたをくんで、たからかに歌をうたいました。
その夜は、美しい月夜でした。夜がふけるにつれて、ますます月はさえかえり、波にそのかげをうつして、海はいちめんに銀ぱくをまきちらしたようです。
こうたいでもち場についている船員のほかは、みんな船室にはいって、ねむりについていました。トントントントンという機関のひびき、サーッ、サーッと船が波をきる音、こうこうと照る月の下には、そのほかに、なんのもの音もありませんでした。
ひとりの船員が、甲板をコツコツと、歩いていました。一時間ごとの見まわりです。中央船室のよこの、ほそい通路をとおって、船首のほうにでました。つりあげた救命ボートの下をくぐって、ひょいと、むこうを見ると、船首のとっぱなに、黒いものが、うずくまっていました。
「おやっ、あんなところに、だれかが寝ているのかしら。」へんだと思って、そのほうへ近づいていきましたが、どうも人間ではなさそうです。からだじゅうに大きなウロコが、はえています。それが月の光をうけて、キラキラとひかっているのです。