Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

長いしっぽがあります。頭から、背中にかけて、ギザギザのトサカのようなものが、つづいています。なんだか大きなワニのようでした。しかし、このへんにワニがすんでいるはずはありません。

船員は、背中がゾーッと、さむくなってきました。どんな動物の本にも書いてないような、へんに気味のわるいものです。でも、こわいもの見たさで、足音をぬすむようにして、なおも近づいていきますと、その黒いやつが、首をあげて、ぐーっと、こちらをむきました。

それを、一目見ると、船員は、からだがしびれたようになって、にげることも、さけぶことも、できなくなってしまいました。

黒い鉄のような大きな顔に、くぼんだ目が、リンのようにかがやいていました。耳までさけた三日月がたの口から、白い牙がニューッと、つきだしていました。

「ジャ、ジャ、ジャ、ジャ、ジャ……。」

怪物が口を大きくひらいて、笑っているのです。その笑い声は、まるで鉄をすりあわせるような、気味のわるい音でした。

「ワーッ。」

とうとう、声がでました。船員は、死にものぐるいの声をふりしぼって、助けをもとめました。

「だれかきてくれ……。」

その声に、どこからか、人の走る音がして、ひとり、ふたり、三人と、船員が、かけつけてきました。