Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

」

じいさんが、しわがれ声で、そんなことをつぶやきました。すると、のぞきカラクリのお城に、ギョッとするような異変がおこったのです。

お城のまるい塔の上に、なにかがモゾモゾと動いているのが見えました。それが、塔のふちをのりこえて、塔の壁をジリジリとはいおりてくるのです。

それは、おそろしくでっかい、一ぴきの黒いカブトムシでした。塔の窓の大きさにくらべると、そのカブトムシは、人間ほどもあります。

人間ぐらいの大きさのカブトムシが、塔をはいおりてくるのです。頭のてっぺんから、一本の黒い大きなツノが、ニューッと、つきだしています。小林君は、それを見て、西洋の怪談にでてくる、一角獣という怪物をおもいだしました。大きさといい、形のおそろしさといい、カブトムシというよりも、一角獣の怪物といったほうが、ふさわしいのです。

この巨大なおばけカブトムシは、やがて塔をはいおりると、森の中を、だんだん、こちらへ近づいてきました。すると、森のしげみの中から、ヒョイと、とびだしたものがあります。一ぴきのシカです。怪物を見て、にげだしたのです。そのシカが、カブトムシより小さく見えたのですから、怪物の大きさがわかるでしょう。