Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
その間にガラッ八の八五郎は、新らしい穴を二つまで見つけました。一つは佐久間町の仁助店に、鼠の巣のように暮している、樽拾いの小僧――宇八の凶刄に倒れた――元吉の家で、母親を慰めるというのは口実で、実は姉のお雪の顔を見たさに、せっせと通い始めたのです。
お雪は貧乏人の娘らしく、何処かませておりますが、年からいえばたった十七で、世辞も愛嬌もない代り、木の上からもぎ立ての果物のような、清純な感じのする娘でした。
色白で、キリリとして、眼鼻立ちの可愛らしい娘ですが、そんなに綺麗な方ではなく、八五郎が魅力を感じたとすれば、そのつくろはぬ自然さと、貧苦に鍛錬された一種の気性に引かされたのかもわかりません。
もう一人は、谷中の天王寺の側にある、小さい茶店の女で、これは二十三の抜群のきりょうでした。厳格に人別を洗えば、茶店の婆さんの姪で、出戻りになって遊んでいるのを、婆さんが懇望して、この間から店を手伝ってもらっているということでしたが、谷中の森の中をピカピカさせるような美しさと、鼻声で物をいう媚態が評判になって、近ごろ名物の一つに数えられ、私娼窟のいろは茶屋を圧倒するほどの人気でした。