Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「八、この手紙はだれから来たのだと思う」
「わかりませんね」
「おれ達がここに引返して来るに相違ないとにらんでよこした手紙だ。一分一厘の隙もなく運んだ筋書通り、このおれもお前も踊らされているのだよ」
「ヘエ?」
八五郎には平次の言葉がいよいよわからなくなるばかりです。
「見るがいい、お栄の手紙だよ」
「ヘエ、あの阿魔が」
八五郎は平次の手から手紙を受け取ると、かぶりつくように見入りましたが、
「こいつはあっしに読めねえ。仮名は仮名でも女の書く仮名文字は一つ一つが気を持たせてクネクネと品を作っているから、素直に読み下せませんね」
とうとう投げ出してしまいました。
「意気地のない野郎だ。女の手紙が読めなきゃ、色文をもらった時どうするつもりだ」
「親分に読んでもらいますよ」
「間抜けだなア――聞くがいい、こうだ」
平次が読んでくれたお栄の手紙は、八五郎を驚かすに十分でした。それは八五郎のいわゆるクネクネと品を作った文字に似ず、のっけから、
助けて下さい、私は今真っ暗な部屋の中に押し込められ、怪しい男に手籠めにされております。その男は多分、銭形の親分が捜していたまだら組とやらのかしらでしょう、場所は両国に近く船の艪の音がよく聞えます。