Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「止せ止せ八五郎、相手は最初から逃げ場をこさえているよ。それに先刻だってつぶてを投って一度は逃げ出したが、お前が家の中へ入るのを見定めると、もう直ぐ引返したんだ」
「ヘエ」
平次は笑っております。
「だがな八、おかげで相手の巣が近いということがわかったよ」
「?」
「お前は足が長いから、駆け出す方じゃ人に引けを取らないと自慢しているね」
「ヘエ」
「その八五郎が追っかけて、路地から通りへ出ると、相手の姿が見えなくなるだろう」
「そうですよ、親分。通りへ出ると右左見通しだ、五間や十間おくれていたって、姿が見えなくなるはずはねえと思うんだが――」
「相手の本陣は近いよ。ことによれば」
「何んです親分」
「まア宜い」
平次はそれっきり口をつぐんでしまいました。
「ところで親分、先刻の続きですが」
「――」
「親分はその紙片の謎を解いたんですか」
八五郎はまたもとの興味に首を突っ込みます。
「大方解いたつもりだが少し解らないことがあるから、お前の言うことが素直に聴けなかったんだ」
「何んです、そのわからない事というのは?」
「お前は近江屋半兵衛が殺された時、いろいろの事を調べたはずだな」