Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「――匕首をだれに頼まれて買ったか、その匕首を何処へやったか、それさえ言や宜いのだよ。わかったか小僧さん。――それよ、ここに一朱ある、おれは無理なことなんか頼みはしない、これでへそが抜けるほど好きなものを食うが宜い、――もっとも腹をこわしちゃ何んにもならないよ。宜いだろう、解ったな。フ、フ……そら笑った、――もう泣いちゃいない、なア兄さん」

平次は巧みに小僧の気を引いて行くのでした。

「うん、おいらは人に頼まれたんだよ。あの子供達の見つけた匕首を一朱で買ってくれたら、お前にも褒美を一朱やろうといわれたんだ」

小僧は新しい一朱銀を一つ、宝物のように握り締めて、泣きじゃくりながらいうのでした。

「それから何うした?」

「匕首は、その頼んだ人に渡したよ――その人は、何処へ行ったか知らないや」

小僧は覚束なくあたりを見まわすのです。

「その匕首を買わせたのは、どんな人だ。お前の知っている人か、それとも知らない人かえ」

平次は漸く重大な緒口に取っつきました。

「知ってる人だよ、あの声は幾度も聴いたことのある声だよ。顔は思い出せないんだ、――だって頬冠りをして袖で口のあたりを隠して居るんだもの」