Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「親分は?」

「俺も後から行く。頼むぞ八」

「路地の中の、大江山はどうなるんで?」

「そんなものは綺麗さっぱり忘れてしまえ。路地を出るまでは、間違ってもキョロキョロあたりを見るな」

「大丈夫ですか」

八五郎は馬鹿に念を押しながらも、平次のプラン通り、降り始めた雨の中を適当にわめき散らしながら、路地の外へ出て行きました。その後から必ずだれかがついて行くに決っており、そしてその追跡者は、八五郎が湯島の吉を呼び出して、金太、巳之吉の輩を狩り出し、富士の巻狩りほどの騒ぎをしながら両国の方へ行くのを、馬鹿々々しくも見張っていることでしょう。

後に残った平次の仕事は、それから始められました。火の用心をして、戸締りを見て、悠々と傘をさして路地を出ると、真っ直ぐに行ったのは、金沢町の下っ引――下駄屋を内職にしている若松の家でした。表戸をたたいて何やら女房と掛合い、そのままスルリと家の中へ入りましたが、しばらくするともとの姿のまま出て来て、たいして急ぐ様子もなく、雷雨の中を両国の方へ、柳原の闇を辿ります。

それから間もなく下駄屋のお勝手口から、無造作に外へ出たのは、下っ引の若松でした。