Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
平次は丁度宜い折をつかんで、日ごろのうっぷんを漏らすのです。
それだけいえば、平次の気も済みました。それを聴いて三人の武家がいそいそと帰った後で、笹野新三郎は折入った態度でこういうのです。
「平次、面白くない行き掛りもあるだろうが、これは是非、お前に埒を明けてもらわなければなるまい」
「ヘエ」
「まかり間違えば二十八人の、あたら若い武家の命だ。尾州藩の面目もさることながら、それより恐ろしいのは、尾張六十一万九千石の蔵屋敷へ入り込んで、ヌケヌケと一万両の大金を奪いとったと思う悪者どもの増長心だ。これを捨て置いては、天下の法がすたる」
笹野新三郎の語気は、誠実な良吏らしい熱心さが溢れるのです。
「よくわかりまして御座います。奪い還せるかどうかそこまではお請合いいたし兼ねますが、兎も角も、精いっぱいのことをいたしてみましょう」
それは平次の驕りのない心持だったのです。
早速尾州藩の蔵屋敷へ行くと大橋要人が自分で案内に出て、
「平次殿、平次殿」
と下にも置かぬ扱い。一緒について来た八五郎などが、すっかり良い心持になって、鼻唄をうたったり、口笛を吹いたり、弥造を拵えたり長んがい顎を撫でたりしております。