Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

五合、一升と呑んだ方も、猪口で少しばかり嘗めた方も、いち様に前後不覚に酔うというのは唯事ではないように思いますが、如何でしょう?」

平次の問いは急所を射抜きました。

「いかにも」

「睡り薬か、痺れ薬――そんなものがこの世に有るかないかわかりませんが、その酒には何にか仕掛けがあったに違いございません」

「フーム」

「その証拠を申しましょうか、大橋様」

「?」

「昨夜皆様のお相手をしたお酌女や芸子が、随分よく勤めたと思いますが、酒は一と口も飲まなかった筈でございます」

平次の言葉には妙に自信が溢れております。

「待てよ、津田氏、鈴木氏、どうだ――拙者一人では間違いがあってはいけない。昨夜の女どもは酒を飲んだか、それとも飲まなかったか」

大橋要人は覚束なく助太刀を求めるのでした。

「そういえば、飲んだと見せて、盃洗にあけてしまったようだな」

津田孫太郎は応えました。

「あのお栄とかいう女、大橋氏の膝にもたれて、大分ひどい酔態であったが、そういえば酒を飲んだ様子はなかった」

鈴木倉之進も今更妙なことに思い当るのでした。

酒を飲まずに酔態を演じた女たち、思い起すとそれは不思議なことばかりです。