Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「それより親分、腑に落ちないことがあるんだが――」
八五郎はいったい何を思いついたのでしょう。
「お前の腑に落ちないというのはよくよくのことだ。いったい何が腑に落ちないんだ」
「一万両というと、小判にしてザッと四十貫もあるといいましたね」
「小判一枚が四匁、一万両というと、中味だけで間違いもなく四十貫はあるだろうよ」
「その四十貫の小判をどうして持出したんでしょう? ――表門は昨日の暮れ酉刻(六時)に閉めたきりだし」
「?」
「昨夜裏門を出た清月の女中や芸子は皆んな何んにも持っていなかったといいますよ。二、三人の男だって大きな荷物なんか持っていちゃ、裏門の関所は通しゃしません」
「裏門の御門番は酒を呑まなかったのか」
「酒も呑まない代り、門から一と足も動かないから、昨夜のことを何んにも知りゃしません」
「では、人の出入りくらいは見ていたはずだ――ここは皆様にお願いして、裏門へ行ってみよう」
平次はここにはもう何んにも調べる種がないとみたか、八五郎をつれて裏門へ行きます。
二枚の手札
門番の老人は頑固一徹で融通のきかない人間でしたが、それだけに、
「ここから昨日入ったのは、女が五人、男が二人、それから小僧が一人だけだ。