Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「お隣りの小父さんはもっと年を取っています。あの人は私の知らない人で」

「知らない人が本所から来てくれるというのは変じゃないか。それに途中から姿を隠すのも容易じゃない」

「?」

「おれはもう一度金沢町へ引返して見るから、お前は先へ行くが宜い、――もっとも女一人では夜道は物騒だ。この辺で夜明かしをして居る駕籠屋は、大概顔馴染みだから、一梃見つけて石原まで送り届けてやろう」

平次は行き届いておりました。顔見知りの駕籠屋――夜更けて吉原まで飛ぶのを渡世にしている四つ手を一梃さがして来て、お里を本所の石原まで送るようにいいつけると、自分はそこから引返して真っ直ぐに、金沢町の近江屋まで、真に追っ立てられるように飛んだのです。

「今晩は――開けてくれ、平次だ」

平次は近江屋の入口の戸を叩きましたが、中は恐ろしい不安をはらんだまま静まり返って、返事をする者もありません。

「おい、お栄さんは居ないのか、――平次がもどって来たんだ、開けてくれ」

二三度、少しせっかちに叩くと、いきなり裏口の戸は開いた様子、――多分そこから入れというのでしょう――平次はそんなことを考えながら裏にまわると、パッと裏口から飛び出した一人の男、出合い頭に平次を突き飛ばして、一足飛びに路地の外へ――。