Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「それで、話はもとへもどるが、宇八はお前にどんなことをいったのだ」

「いやらしいことばかり」

お栄はそういって、さすがに顔を伏せるのです。

「それっきりか」

「それから、伯父さんが何にか書いたものをお前に渡していかなかったか、と、それはそれはしつこく訊きました」

「書いたもの?」

平次は一万二千両の秘密にハタと直面したように感じました。

「宇八は何処にいるか、お前にいわなかったのか。この五日の間逃げまわって、どうしても尻尾をつかませないが――」

「どこにいるか、それはいいませんが、――おれは追い廻されているが、おれの隠れ家などは、江戸中の岡っ引が総出で捜してもわかるものかと――せせら笑っていました」

「あの野郎は樽拾いの小僧を殺している。それからお前の伯父の半兵衛も、あの男が殺したかも知れない。あの日宇田川町の相模屋を出て、芝口二丁目の棟梁の家へ現われるまで、一刻というもの、あの男が何処にいたか、だれも見た者はない」

平次は独り言のようにいうのでした。

「まア、怖い」

寒々と袖を合せて、肩をふるわせるお栄です。

「宇八が主人を殺し、その主人を殺した匕首を手に入れようとして、樽拾いの小僧を使って顔を見知られ、とうとう小僧まで殺してしまった。