Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

お栄を隣りの家へ預けて、平次は真夜中の街を、もう一度本所へ飛んだことはいうまでもありません。

「あ、親分じゃありませんか」

両国橋の上で、ハタと顔を合せたのは八五郎です。

「八か、どうした、あの小僧の父親は?」

「大変ですよ、あっしの手には了えねえから、親分を迎えに飛び出したところで」

ガラッ八の八五郎は、額口の汗を拭き拭き、馬のような荒い息を、川風に吹き送るのです。

「殺されたのか」

「それもひと通りの殺しようじゃありませんぜ。匕首で一とえぐりにして、怪しい床の間の柱に、心張り棒を背負わせて磔刑だ」

「悪どい野郎だな。それで、二の腕を見たか」

「見ましたよ。あのヨイヨイの老爺も、間違いもなく、斑組の仲間で、二の腕の彫物は、賽の目の五」

「大方そんな事だろうと思ったよ。あと三と一が残っているわけだ」

「いよいよ江戸中の風呂屋へお触れをまわすんですね」

話しながら二人は石原の定五郎の家に着きました。まことに見る影もない裏長屋――といっても、空地とガラクタを詰めた物置の間に挾まって、全く町並からは隔絶しておりますから、野中の一軒屋も同じことです。

「親分さん」

二人の足音を聴いて、飛んで出たのは小僧の定吉でした。