Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
乞食橋の煙草屋、番太に毛の生えたようなケチな荒物屋だが、婆さんが内職に、二階を貸して、出合い座敷料をかせいでいるんで」
「それで」
八五郎も漸くお山同心の聴き耳立てているのに気がついて、報告レールの上に乗っかります。
「親分の推察通り、まさに図星で。今から十一日前、丁度近江屋半兵衛の殺された晩、顔見知りの近江屋の番頭宇八がやって来て酉刻半(七時)過ぎから戌刻半(九時)近くまで、女でも待っている様子で、焦々しながら煙草ばかり呑んで――何時までもこうしちゃいられない、もう一軒行くところがあるから、若し女が来たら、改めて日取りをきめようといってくれ――とぼんやり帰って行ったそうですよ」
それは実に思いもよらぬ新事実でした。その煙草屋の婆さんのいうことが本当なら、あの晩の宇八の行動は立派に証明されるわけで、近江屋半兵衛が殺された時刻に、申し分のない不在証明を持っていることになります。
「まさか嘘じゃあるまいな。煙草屋の年寄りが、いい含められて拵え事をいってる様子じゃなかったか」
「それは大丈夫、十手を見せての上の話で、拵え事する隙もありませんよ。それに店番の小僧が宇八に頼まれて、一升買ってつまみ物まで用意させられていますよ」