Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「でも、私は一体何んで縛られるんでしょう」
「四人殺しの証拠が上っているんだ。おれを用心棒に泊めて置いて裏の部屋から脱け出したろう。地袋にどろだらけの草履があったのを見つかったとは気がつくまい」
「まア、そんなことなの――私は寝つきが悪いから、時々夜風に吹かれに、外へ出るんですよ――せっかく泊ってもらっている、八五郎親分や叔母さんを起しちゃ悪いと思って草履を用意して、床の間の地袋へ入れて置いたんじゃありませんか」
「何んだと」
「それとも草履を神棚へでも載っけて置きゃよかったでしょうか」
「ばかにするな」
「でなきゃ、八さんの寝ている枕許を通って、表から外へ出ても宜かったでしょうか――夜中に八さんの枕元を通って」
「――」
「私は口惜しい、八さん」
お栄は縛られたまま、サメザメと泣くのです。長い睫毛を伝わる涙の玉が、豊かな頬をホロホロと落ちて、少し踏みはだけた膝に落ちるのも、妙に八五郎の胸をうずかせます。
「それじゃ聞くが、本所へ行ったはずのお前が、向うへ顔を出さずにここへもどって来て、何んか捜し物をしていたのはどういうわけだ」
八五郎は自分で縛り上げた手前一応この女を説破したい衝動に駆られたのでした。