Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
(一一、一〇)
今日も怠けた。昼に酒を呑んだ、「田沼」一枚書いた、いけないいけない。夜になって家の娘が「M」と云う蒸気乗りに辱しめられようとした為、家主が怒って騒ぎがあった。右の騒ぎには、通船会社の船長が三人謝罪の為にやって来て、問題は屡々国体観念に及ぶし、遂には哀れにも、「伊邪那岐、伊邪那美」両尊までが引合いに出されると云う結果を見るに至った。その結果二十六号の船長は始め「大馬鹿のおべしゃんこ」と呼ばれたが、調定した上、彼が帰った後には、彼は「大変な利口者で、あれあるが為に通船が保っている」と云う断案を与えられた。かくして予は一夜の快きフマースを観るの光栄を担ったのである。(此の事はもっと精しく書こうと思う。)(一一、一一、夜十二時半)
「田沼」行詰った。午後からは堀江の川端の土堤へ行き、枯草の上に寝ころんで秋日をうけて時間を消した。夜高梨の家で乾物で酒を呑んだ。帰ってから「秋風記」の幕を明けた。明日は東京へ行く、末子が来ているだろうと思う。ああ神よ、今宵の我が眠りを護らせ給え、末子よ卿の夢が円かであるように。(二五八八、一一、一二、夜十一時半)