Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
いまは所謂「蒸汽河岸」の土堤へ月見に行って戻ったところ。遠い地平線の彼方に海が見え、漁火が揺れていた。千葉の方の灯かもしれぬ。「蒸汽河岸」では某の老船長が大きな鯉を釣り上げて騒いでいた。うちの老婆は娘を探ねて山梨県まで又出掛けて行って未だ帰らぬ。気の毒なことだ。さて寝よう。末子よ、卿の上に佳き眠りと美しき夢のあるように。(九、三)
池部鈞にデッサンを見せに行った。好評であった。別に何も為ず何も考えなかった。夜は高梨の家で船長とエンジナアとで麦酒を呑み乍ら時間を消した。小名木の番所の話など出た。余は浦安町の小学校の女教師関口を知ることが出来るかもしれぬ。末子よ安らかにおやすみ、佳き夢があるように。(二五八八、九、四)
昨日は何も為なかった。夜は高梨の家で過した、栗と葡萄とを馳走になった、新秋の匂いが余を満足させた。今日も何も為なかった。石井信次から来信。九日に妻君と余を浦安に訪ねるとあった。夜、「燕」を浄書している。ああ大事なことを忘れた。余はいま「田沼意次」のプランに取りかかっている。大部な作になる、今度はどうやら掴めそうである。参考書が一冊不足で、石井から借りねばならぬ。