Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
なぜなら、女はその肉体の行為の最大の陶酔のとき、必ず迸しる言葉があった。アキ子にもこんなにしてやったの! そして目が怒りのために狂っているのだ。それが陶酔の頂点に於ける譫言だった。その陶酔の頂点に於て目が怒りに燃えている。常に変らざる習慣だった。なんということだろう、と私は思う。
この卑小さは何事だろうかと私は思う。これが果して人間というものであろうか。この卑小さは痛烈な真実であるよりも奇怪であり痴呆的だと私は思った。いったい女は私の真実の心を見たらどうするつもりなのだろう? 一人のアキは問題ではない。私はあらゆる女を欲している。女と遊んでいるときに、私は概ねほかの女を目に描いていた。
然し女の魂はさのみ純粋なものではなかった。私はあるとき娼家に宿り淋病をうつされたことがあった。私は女にうつすことを怖れたから正直に白状に及んで、全治するまで遊ぶことを中止すると言ったのだが、女は私の遊蕩をさのみ咎めないばかりか、うつされてもよいと云って、全治せぬうちに遊ぼうとした。それには理由があったのだ。女の良人は梅毒であり、女の子供は遺伝梅毒であった。夫婦の不和の始まりはそれであったが、女は医療の結果に就て必ずしも自信をもっていなかった。