Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
私はその薄気味悪さを呪文のように覚えている。
私の母は継娘に殺されようとし、又、持病で時々死の恐怖をのぞき、私の子供の頃は死と争ってヒステリーとなり全く死を怖れている女であったが、年老いて、私と和解して後は凡そ死を平然と待ちかまえている太々しい老婆であった。私には死を突き放した太々しさは微塵もなく、凡そ死を怖れる小心だけが全部の私の思いなのだが、私は然し、母から私へつながっている異常な冷めたさを知っている。
私の母は凡そ首尾一貫しない女で、非常にケチなくせに非常に豪放で、一銭を惜しむくせに人にポンポン物をやり、一枚の瀬戸物を惜しむ反面、全部の瀬戸物をみんな捨てて突然新調したりする、移り気とも違い、気分屋とも違う、惜しむ時と捨てる時と心につながりがないので、惜しむ時はケチで、捨てる時は豪快で、その両方を関係させずに平然としていられる女であった。人に気前よく物を呉れてやる時にも別に相手の人に愛情はないので、それはそれだけで切り離されており、二度目を当にしてももう連絡はないので、今度はひどくケチな反面を見せられてウンザリさせられたりするのである。人のことなど考えてやしないのだ。