Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
何でも当然と思って受け入れる。どうでもいいやと底で思い決しているからで、凡そ根柢的に冷めたい人であった。私の家には書生がたくさんいた。今は社長だの重役だの市長だの将軍だのになっているが、みんな親父の人柄はのみこめても、母の人柄は今でも怪物のようにわけが分らなく思っている。本当は微塵も甘さがない。そのくせ疑ることも知らない。なんでもそのまま受け入れる。
こういう茫洋たる女だからめったに思いつめて憎んだりしないが、二人の継娘と私のことだけは憎んだので、こういう女に憎まれては、子供の私がほとほと難渋したのは当然であり、私は小学校のときから、家出をしようか自殺しようか、何度も迷ったことがあった。私が本来ヒネクレた上にもヒネクレたのは当然で、私は小学校の時から一文の金も貰えず何も買って貰えないので、盗みを覚えた。中学へ行っても一文の小遣いも貰えない。私は物を持ちだして売り、何でも通帳で買ってジャンジャン人にやった。欲しくない物まで買った。私が使う為でなく人にやるためだ。人に物をやるのは人に愛されたい為ではなく、母を嘆かせるためで、母に対する反抗からであった。