Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
然し私は学校を休んでいても別に落第する必要はなかったのだ。私は然し母を嘆かせ苦しめ反抗せずにいられないので、わざわざ答案に白紙をだしたのである。先生が紙をくばる。くばり終ると私は特に跫音高く道化た笑いを浮べて白紙の答案をだす。みんな笑う。私は英雄のような気取った様子でアバヨと外へ出て行くが、私の胸は切なさで破れないのが不思議であった。
私が落第したので私の家では私に家庭教師をつけた。医科大学の秀才で、金野巌という人で、盛岡の人であった。然し、私が眼鏡がなくて黒板の字が見えないから学校へ行かないということは金野先生も知らないし、意地っ張りで見栄坊の私はそれを白状することが出来ないので、相変らず毎日学校を休み、天気の良い日は海の松林で、雨の日は学校の横手のパン屋の二階でねころんでいた。そして学校を追いだされたのである。そして私は東京の中学へ入学したが、母と別れることができる喜びで、そして、たぶん東京では眼鏡を買うことができ、勉強することが出来る喜びで、希望にかがやいていた。私は然し母と別れてのち母を世の誰よりも愛していることを知った。
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