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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

白痴の方では何年か前には何目か置かせて打っていた自信が今も離れないから、せせら笑って(まったくせせら笑うのである。呆れるばかり一徹で強情であった)やりだすのだが、白痴の方は案に相違、いつも負けてしまう。はてな、と云って、石が死にかけてから真剣に考えはじめ、どうして自分が負けるのか原因が分らなくて深刻にあわてはじめる、それが白痴の一徹だから微塵も虚構や余裕がなくて勝つ方の愉しさに察せられるものがある。けれども従兄はそれだけで満足ができないので、本当に土蔵へ入れて一晩鍵をかけておいたり、裏門から刑務所の畑の中に突きだして門を閉じたりしたものだ。白痴は一晩ヒイヒイ泣いて詫びている。そのくせ懲りずに、翌日になると必ずせせら笑ってやりだすので、負けて悄然今日だけは土蔵へ入れずに許してくれ、へいつくばって平あやまりにあやまるあとでせせら笑って、本当は負ける筈がないのだと呟いて、首を傾けて考えこんでいる。

毎晩負けて土蔵へ入れられる辛らさに、とうとう家出をした。街のゴミタメを漁って野宿して乞食のように生きており、どうしても掴まらなくなり、一年ぐらい彷徨しているうちに、警察の手で精神病院へ送られた。