Japanische Klassiker mit Furigana
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こうやひじり
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (こうやひじり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.025 Zeichen · 71 Bildschirme
同じく私が方をじろりと見たっけよ、舌不足が饒舌るような、愚にもつかぬ声を出して、
(姉や、こえ、こえ。)といいながら気だるそうに手を持上げてその蓬々と生えた天窓を撫でた。
(坊さま、坊さま?)
すると婦人が、下ぶくれな顔にえくぼを刻んで、三ツばかりはきはきと続けて頷いた。
少年はうむといったが、ぐたりとしてまた臍をくりくりくり。
私は余り気の毒さに顔も上げられないでそっと盗むようにして見ると、婦人は何事も別に気に懸けてはおらぬ様子、そのまま後へ跟いて出ようとする時、紫陽花の花の蔭からぬいと出た一名の親仁がある。
背戸から廻って来たらしい、草鞋を穿いたなりで、胴乱の根付を紐長にぶらりと提げ、銜煙管をしながら並んで立停った。
(和尚様おいでなさい。)
婦人はそなたを振向いて、
(おじ様どうでござんした。)
(さればさの、頓馬で間の抜けたというのはあのことかい。根ッから早や狐でなければ乗せ得そうにもない奴じゃが、そこはおらが口じゃ、うまく仲人して、二月や三月はお嬢様がご不自由のねえように、翌日はものにしてうんとここへ担ぎ込みます。)
(お頼み申しますよ。)
(承知、承知、おお、嬢様どこさ行かっしゃる。