Japanische Klassiker mit Furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme
つまり一寸だめし五分だめし、蛇の生殺しに類する、比類なき残虐だ。
と云って、何の確証もないのに、事を荒だてては却って不利である。よしよし、これからは、探偵になった積りで、一つあいつの一挙一動を厳重に見張っていてやろう。確かな紹介者があって雇ったのではあるけれど、もっとよく身元も検べて見なければなるまい。そして、何かしら、のっぴきならぬ確証を掴まないで置くものか。と、二郎は斯様に心を極めた。
一郎は首のまわりの妙な傷痕を別にすると、二三日ですっかり元気を恢復したが、妙子の方はそうは行かぬ。まだ外科病院で高熱に悩まされているのだ。
ある日、妙子の友達の花園洋子が、彼女の病床を見舞った帰りがけに、玉村邸に立寄った。というのは、妙子の見舞は謂わば口実であって、事件の為に暫く顔を見せなかった二郎青年に逢う為である。洋子は東京の名ある女流音楽家の内弟子で、玉村一家とは妙子を通じて懇意の間柄、二郎とは父玉村氏も黙認している程の恋仲であった。
二人は人を避け、庭の木影の捨て石に肩を並べ、ホカホカと暖い陽をあびて、話をした。だが、今日は、いつもの様に甘い話ばかりではなかった。