Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
「立て!」
といって、源次の首の輪縄をはずし、その縄尻をショッ曳いて、
「せっかくここで、おっ放してやろうと思っていたが、そう情を突っぱるならゼヒがねえ、代官所の砂利を咬ませて、ゆっくり、荒療治で聞くとしよう。ばかな奴だ、ここで白状してしまえば、眼八の胸ひとつ、お咎めなしに見のがしてやるものを、向うへ行きゃあ公然になる、泣いてもわめいても間に合わねえぞ」
「…………」
「棟梁の大勘が、どれほど口止めしたかは知らねえが、こんなことで臭い飯をくうなんて、気の利かねえ話があるものか。御牢舎ぐらいですみゃいいが、隠密を匿いだてした連累となると、とても、そんなことじゃすむまいぜ……エエ源次」
「…………」
「船大工の部屋にゴロついているお前にしろ、どこかの在所にゃ、肉親もいるだろうに、助任川の曝し場へてめえの首が乗ってみろ、親兄弟にまで、泣きを見せなくちゃなるまい。アア、口が酸ッぱくなった、俺にもこれ以上の親切気は持ちきれねえ、さ、立ちなよ、そろそろ行く所へ行くとしよう」
「……ま、待って下さい」
「腰が立たねえのか」
「いってしまいます、隠していたなあ、あっしが悪うございました」