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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

「しばらく」あわててそれをさえぎりながら、

「これはいよいよ解せぬお言葉。売女とは、何の意味――イヤ誰をさして仰せられるか」

「いわずと知れている、その女じゃ」

と、したり顔の同心が、お綱の姿を指さしたので、弦之丞はあまり笑止な上役人の勘違いに、笑うまいとしても笑わずにはいられなかった。

「何がおかしい」

とまた、一同が尖り立つのを制して、じっとふたりの姿を見くらべていた同心が、ははア、これは間違いかな? とやや気がついたらしく、

「近頃、岡場所のお取締りがきびしいため、大阪の川筋に苫舟をうかべ、江戸の船饅頭やお千代舟などにならった密売女が、おびただしい殖え方をいたしおる。それゆえに手を分けて、毎夜、川すじの怪しい舟をあらためているのじゃが、只今、この土橋のほとりへまいったところ、下の小舟の苫のうちで、甘やかな、女の密め語が洩れる……」

「あ、なるほど」

苦笑しながらも、うなずかざるを得なかった。

「それで、一途に、舟売女と思われましたか」

「場所がらといい、舟のうち。そう思うのが当然でござる」

「いかにも、当然なお話である。しかし、それはまたお間違いでもあった。