Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme
からだじゅうに、つめたい汗がにじみだしてきました。心臓はいよいよドキドキとおどりだし、息がくるしくなってきました。酸素が、すこししか残っていないのです。
もう、だまっているわけにはいきません。声が、外まで聞こえないとわかっていても、助けをもとめないではいられません。
「助けてくれえええ……。」
小林君は、せいいっぱいの声で叫びました。声だけではたりないので、手と足を、めちゃくちゃに動かして、鉄の板をけったり、たたいたりしました。
× × ×
そのとき、隅田川と東京港のさかいめの造船工場のある川岸で、ふたりの労働者が、岸の近くに流れついた赤いブイを、ふしぎそうに見つめていました。朝の六時ごろのことです。
「へんだなあ、ブイがこんなところへ流れてくるなんて。きっと、おきのほうにつないであったのが、くさりがきれて、流れてきたんだね。」
「だが、あのブイは、波もないのに、いやに動くじゃないか。大きな魚が、下からひっぱっているのかもしれないぜ。」
ふたりの労働者は、気味わるそうに顔を見あわせました。赤くぬったブイは、魚つりのうきを何千倍にもしたようなものです。