Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんひょう

黄金豹/妖人ゴング

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme

Aozora Bunko

てんじょうが、スーッとうす暗くなり、電球は水の中で光っています。電球のまわりの水が明るくなって、水面が波だつたびに、キラキラと美しく光るのです。

しかし、それも、ごくわずかのあいだで、やがてパッと電灯が消え、あたりは真のやみになってしまいました。

死んだようなやみの中、つめたい水の中、なんの音もなく、動くものといっては、立ちおよぎをするために、しずかに水をかいている、じぶんの手足と、顔や頭にすがりついているネズミのからだだけです。

さすがの妖人ゴングも、ゾーッと、こわくなってきました。

十分もすれば、水は防空壕のてんじょうにつくでしょう。そうすれば、もう息ができなくなるのです。水の中でもがきながら、死んでしまうのです。

いや、そんなことよりも、なんにも見えないこの暗さ。頭の上で、からだをくっつけあって、うごめいている五ひきのネズミ。手足を動かさなければ沈んでしまう、つめたい水。そういう、いまの身のうえが、なんともいえないほど恐ろしくなってきたのです。

「助けてくれええ……。おれは、息がつまりそうだああ……。だれか、きてくれええ……。」

死にものぐるいの声を、ふりしぼって叫びました。