Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme
どうやら豹は、ドアのすぐむこうまで来ているようです。そこにうずくまって、ようすをうかがっているのかもしれません。
そのうちに、ドアのとってが動きはじめました。なにものかが、とってをまわしているのです。豹に、とってをまわす知恵があるのでしょうか。ふつうの豹なら、そんな知恵はないはずですが、黄金豹は、さっき宝石を盗んだ手ぎわでも、わかるとおり、人間と同じ知恵をもっているのです。とってをまわすくらいは、ちゃんと知っているにちがいありません。
しばらく、ガチガチやっているうちに、とってがうまくまわって、しまりがはずれ、ドアがスーッと、開きはじめました。十センチぐらい開いたとき、そこから、あらわれたのは、あの金色の前足です。それをドアにかけて、おしているのです。
やがて、ドアがぜんぶ開いて、黄金豹の恐ろしいすがたがあらわれました。「ワアッ。」という恐怖のどよめき。人々は先をあらそって、はんたいのほうへ逃げだしました。
みんながいちどに、はんたいがわのドアのほうへおしよせたので、人と人とが、かさなりあい、おされて、倒れるもの、倒れた上を、ふんづけるもの、キャーッ、という女の悲鳴、子どもの泣き声、列車の中は、恐ろしいさわぎになりました。