Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lee 真珠夫人 (しんじゅふじん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 289.296 caracteres · 578 pantallas
美奈子は、顫える声で答えた。
「何処へ行かれたか分りませんの。あの晩からずうっと分りませんの。」
が、瑠璃子は、美奈子の表情で凡てを悟ったらしかった。寂しい微笑らしい影が、その唇のほとりに浮んだ。
「美奈さん、本当を云って下さい。妾覚悟していますから。どうせ助からないのですから。」
美奈子は、何とも口が利けなかった。
「自首したの?」
美奈子は、首を振った。瑠璃子の衰えた顔に、絶望的な色が動いた。
「じゃ、自殺?」
美奈子は、黙ってしまった。彼女の舌は、釘付けられたように動かなかった。
「そう! 妾、そうだと思っていたの。でも今度丈は、妾悪意はなかったの。」
そう云いながら、瑠璃子は目を閉じた。美奈子に凡てが判っていた。母は、美奈子に対する義理として、青年をあれほど、露骨に斥けたのだった。美奈子に対する彼女の真心が、彼女を、この恐ろしい結果に導いたのだと云ってもよかった。そう思うと、美奈子は身も世もないような心持がした。
日暮に近づくに従って、瑠璃子の容態は、険悪になった。熱が、反対にぐん/\下って行った。呼吸が――それも何の力もない――愈々せわしくなって行った。