Clásicos japoneses con furigana
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lee 真珠夫人 (しんじゅふじん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 289.296 caracteres · 578 pantallas
三
青年の言葉に、一寸傷つけられた勝平は、じっと其方を、睨むように見た。最初、前髪を左右に分けた束髪の頭の形が見えた。それに続いて、細面の透き通るほど白い女の顔が現れた。
三
やがて、女は丘の上に全身を現した。年は十八か九であろう。その気高い美しさは、彼女の頭上に咲き乱れている八重桜の、絢爛たる美しさをも奪っていた。目も醒むるような藤納戸色の着物の胸のあたりには、五色の色糸のかすみ模様の繍が鮮かだった。そのぼかされた裾には、さくら草が一面に散り乱れていた。白地に孔雀を浮織にした唐織の帯には、帯止めの大きい真珠が光っていた。
「疲れたでしょう。お掛けなさい。」
青年は、埃を払った腰掛を、女に勧めた。彼女は勧められるまゝに、腰を下しながら、横に立っている青年を見上げるようにして云った。
「妾来なければよかったわ。でも、お父様が一緒に行こう/\云って、お勧めになるものですから。」
「僕も、妹のお伴で来たのですが、こう混雑しちゃ厭ですね。それに、此の庭だって、都下の名園だそうですけれども、ちっともよくないじゃありませんか。少しも、自然な素直な所がありゃしない。いやにコセ/\していて、人工的な小刀細工が多すぎるじゃありませんか。