Clásicos japoneses con furigana
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lee 真珠夫人 (しんじゅふじん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 289.296 caracteres · 578 pantallas
五
妾、貴君を弟に持ちたいと思うわ。が、貴君を夫にしようとは、夢にも思ったことはないわ。が、夫以外の一番親しいものとして、妾貴君に何時までも、何時までも、交際っていたゞきたいと思うのよ。ねえ! 美奈さん。貴女に妾の心持は分らない!」
瑠璃子は、意味ありげに、美奈子を顧みた。今まで少しも、分らなかった今夜の瑠璃子の心持が、闇の中に、一条の光が生れたように、美奈子にもほの/″\と分って来たように思えた。
五
美奈子には、母の心持が、朝霧の野に、日の昇るように、ようやく明かになって来た。
母は自分の心持をスッカリ気付いたのだ。青年に対する自分の心持をスッカリ知って了ったのだ。
母が、自分の面前で、何のにべもないように、青年を斥けたのも、みんな自分に対する義理なのだ。自分に対する母の好意なのだ。自分に対する母の心づくしなのだ。そう思うと、烈しい恥かしさを感じながら、母に対する感謝の心が、しみ/″\と、胸の底深くにじんで出た。
母は、やっぱり自分を愛して呉れる、自分のためには、どんなことでも、しかねないのだ。そう思うと、美奈子は、母に対して昨日今日、少しでも慊らなく思ったことが、深く悔いられた。