Clásicos japoneses con furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lee 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 224.569 caracteres · 451 pantallas
で、浜路が憂鬱になる。この頃ではどうも血色さえ冴えない。痩せさえ少し目立って来た。それを見るのが仁右衛門には辛い。親子の情というのだろう。そこで毎日町へ出て、心あたりを探すのであるが、一向雲を掴むようで、見当さえもつかないのであった。
ひょっとかすると宗三郎は、もう名古屋にはいないかも知れない。あきらめて江戸へ帰ったかも知れない。――などとこの頃では浜路も仁右衛門も、危惧の念いに捉われるようになった。そこへゆくりなく薬草道人の、薬剤車の轍の音が、昨夜聞こえて来たのであった。
――薬草道人を探しあてようと、名古屋へやって来た宗三郎である、薬草道人がいるからは、宗三郎も名古屋にいなければならない! で今日は浜路も仁右衛門も、いくらか心が明るくなっていた。
「町の噂でも聞いて来よう」
こう云って仁右衛門が出かけて行った後、一人浜路は部屋に残り、物思いに沈んでいた。
「ごめんください」とはいって来たのは、お仲という三升屋の女中であった。「お客様ご書面でございます」差し出したのは一封の書面。
受け取って浜路仰天した。恋しい山影宗三郎から、彼女へあてた手紙なのである。