Clásicos japoneses con furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lee 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 224.569 caracteres · 451 pantallas
「俺は侍を棒に振ったよ」
ホーッと薪十郎溜息をしたが、「わっしア探す! 世界の涯まで! 怨みの青火で照らしてね!」
「俺もどこまでも探す気だよ」
「旦那ア」と薪十郎顫える手で、潰された両眼を指さしたが、「ブッツリ、こいつを、簪でね、つかれた時のその痛さ! わっしア思い知らせてえんで!」
「心の傷はもっと痛い!」
「聞いてくだせえ!」と薪十郎、グイと三味線をかい込んだ。「怨みの音色だ! 響かせやしょう! 河東節の水調子、この玉菊を弾くごとに、思いを強めるんでございますよ! 復讐のね! 復讐のね!」
「俺とは何も彼も反対だなア、俺はそいつを耳にすると、恋の心が燃え立って来るよ」
やがて弾き出された河東節、こればかりは上手だ、玉菊一曲! 阪東薪十郎唄い出した。あざれた社頭、季節は冬、朝の霧が立っている。そいつを縫って絃声と肉声、延び縮みして響いて行く。聞き澄ましている幹之介、眼瞼がブルブル顫えている。涙をこらえているのだろう。唄いつづけている薪十郎の口、これもブルブル顫えている。怨みをこらえているのだろう。
弾き終えると薪十郎立ち上がった。「旦那様へご縁があったら……」