Clásicos japoneses con furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lee 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 191.571 caracteres · 383 pantallas
その六
その私がどうしてこの一円二十銭を払ったのであろうか。女中の月給のうちからか。今言ったとおりそんなものは一文だって貰ったことがない。この金は実に、私が郷里を立ってこちらへ来るときに貰い集めた十二、三円の餞別のうちから払わされたのである。
その六
とはいえ、物を壊したとき、祖母の怒りの一部分を金で買えることは私にとってせめてもの悦びであった。また、救いでもあった。
金で償うにも償えぬ過失をした時の辛さったらなかった。私は時々、金の代りに体刑を課せられた。
私が十三になったお正月の二日のことだった。朝、岩下一家は卓を囲んで雑煮を食べていた。とどうしたはずみか、祖母の祝箸がぽっきりと折れた。
その箸は暮に私がめいめいの袋に入れたものだったので、責任は無論私に来た。祖母は顔色を変えて箸を私に投げつけた。
「これはどうしたんだ。縁起でもない」こう祖母は罵り始めた。「正月早々のことでないか。ふみ、お前はわしを祈り殺そうとしたんだな。よし、覚えてるがいいよ」
投げつけられた箸を拾って見ると、なるほど箸は中ほどのところを虫に喰まれて二つも大きな穴が開いていた。
私はそれを知らなかったのだ。