Clásicos japoneses con furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lee 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 191.571 caracteres · 383 pantallas
私はすっかり疲れてしまっていた。身体が痛んで身動きさえもできなくなっていた。鮮人が二、三人何か言いながら通ったようだったが、私は起き上りもしないで、俯向けに倒れたまま力なく泣いていた。
が、いつまで泣いていたって仕様がない。誰も人は通らない。誰も家の中から呼びに来てはくれない。今や私の頼るべきものはただ、祖母が私の懐にねじ込んだ欠けた木椀一つである。それは余りにも頼りにならぬ頼り手だ。
「そうだ、やっぱり帰って謝るより他に途はない」こう思って私は、勇気を起して立ち上った。そしてよろめきながら塀に沿うて表門のところまで辿りついて、そこから中に這入った。
襷をかけて、汚れている縁側を、私は叮嚀に拭き始めた。祖母はそれを見るとすぐ高を呼んで私の拭いている先を拭かせた。私は茶碗を洗い始めた。すると祖母自身がそこに来て、私を突きのけて自分で洗った。庭を掃き始めると、祖母は何も言わずに私の手から箒を奪いとってしまった。
絶望した野良犬のように私はのろのろと自分の巣――部屋に帰った。ぐんにゃりと横になって霊の抜けた人形のようにただ壁の古新聞に眼を注いでいたが、思い出しては涙に咽んだ。