Clásicos japoneses con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lee 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.260 caracteres · 418 pantallas
「不慮のこととは、これをいうのであろう。この隠居すら考えられぬことじゃった。ぜひもない」
「……ただ、ご隠居さまのお身になんの事もなかっただけが」
「わしの身辺へは、あまりに近づき難いため、わしへかかるべき災厄が、思わぬものへ罹ったような気がする。……禍いというものはいつでも弱いもの虐めではある」
「無念にぞんじまする。これが、表だってもさしつかえない儀ならば、かならず下手人どもは、あす一日をまたずに引っ縛ってまいりましょうに」
「やめい。やめい」
あわてて老公は顔を振った。城下を離れた寒村の一事件として、どこまでも小限度にとめておきたい意向がうかがわれる。たとえば下手人が逸はやく領境をこえて、他国の領地へ遁れてしまった場合も、あえて藩と藩との交渉によって、それを追求するようなことは避けたい程度にである。
「覚之丞」
「はっ……」
「もし、夜の明けるまでに、手際よく、下手人のかたのつかなんだときは、詮議の手は退いたがよい。そしてすべての者へ口どめせよ。藩への報告も内申ですませておくがよかろう。――いずれにせよ、死した者は回らず、攫われた二人も当分はもどるまい」