Clásicos japoneses con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lee 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.260 caracteres · 418 pantallas
八
舌の苔を洗っていえ)
(権現様このかた、幕府のご方針として、あまりに、その……国体の本義などを明らかに知らしめますことは)
(だまれっ)
(はっ……)
(などとはなんだ)
(はい)
(国体の本義などとは何事か。徳川の宗家が何だ。ひとしく臣職のものではないか。時来れば、宗家徳川も滅んでよし、尾州紀伊水藩の三家、もとより歴史の興亡にまかせて可なりである。――が、千載万代、朽ちも揺るぎもあってはならぬものはただ一系の大御裔にある。そのお在すところさえ明らかなれば、よし幕府が亡ぼうと世のみだれに遭おうと、ふかい憂いとするに足らぬ。……お身は何かその根本をはきちがえておるのではないか)
了的のひや汗は、畳をうるおすほどだった。からくも人見又左があいだを取って、ていよく、光圀のまえを退ったが、心中安からぬ思いは拭うべくもない。とうとう、ひそかに光圀の父頼房に謁を乞うて、ありのままを訴えた。
八
(ほう……。あれがの? ……ふうむ……)
頼房は、うなずきうなずき、聞いていた。
ふたりの儒臣が、憂いを面にあらわして、お家の大事とばかり、綿々と告げる一伍一什を。
けれど頼房の顔にはいっこう心配らしい容子も現われなかった。