Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lee 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.260 caracteres · 418 pantallas

Aozora Bunko

――が、その重秀もそのなかまとみえ、決して眉などはひそめない。むしろ笑いたくない場合も努めて笑って、

「さすがのてまえも、今日の善尽し美尽したご馳走には、もう……また口ぐせ……いや十分にいただいて、これ以上は入りません。そろそろ、おいとまを」

「待て、酒はすすめぬ。湯漬なとどうじゃ」

「ありがとう存じますが、明るいうちから、まだ別間に、たれかご来客のようですから」

「……む、む、数寄屋の客か。……あれはまだ待たせておいても大事ない」

「どなた様ですか」

「水戸の……ほれ、あれじゃ」

「藤井紋太夫とやらで」

「されば」

「非常な才人だそうでございますな。よくうわさを聞きますが」

「さようか」

「失礼でございますが、水戸家における柳沢侯じゃという評をなす者などございます。おそらくあなた様につぐ才人であろうと……」

重秀はここまで調子にのっていいかけたが、かれの顔を見て急に口をつぐんでしまった。

自分と似ているような存在――対比されるような才腕の持ち主を――たれも好かないのはひとの通有性であることに、ふと気がついたからだった。

「ふム……そうかな」

吉保の返辞は果たして白々しい。