Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lee 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.260 caracteres · 418 pantallas

Aozora Bunko

やや離れて、ひざまずいている人々も、その胸のうちを酌まずにいられなかった。又四郎といい林助といい、実に子飼から老公の手塩にかけられた者たちである。

老公としては、家臣とか下僕とかいう以上に、自分のたましいをふきこみ、自分の信条をもって訓育してきた子弟でもある。

それがいま、日頃の訓誡をやぶって逐電したのであった。あきらかにこれは老公が裏切られたかたちといえる。やりばのない憤りを抱いておられるか。また、老来いよいよ淋しくなるばかりな孤寂を嘆いておられるか。――いずれにせよ人々は、星の下にみな頭をさげて、あまりに老公の佇んでいることが長いので、夜風の冷えを案じたほどだった。

と。ふいに、

「不埒者っ」

大きな声が風を割った。

愕として、みな老公の手を――いや古梅の幹を凝視した。

老公は、抜きはなった脇差のひややかな鉄肌をもみ紙でそっと拭いていた。捨てられた紙に樹液のにおいがする。

又四郎と林助が書き遺したそこの文字は、ひと太刀できれいに幹から斬り除られていた。老公はもうその前を離れて、

「又四郎、林助のふたりは、もとより少将の家臣ではないが、こよいかぎり西山荘の出入りもとめる。