Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lee 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.260 caracteres · 418 pantallas
江戸小石川のやしきの裏、ひろい後楽園のわきに、桜の馬場がある。
昼間、永野九十郎という旧家臣が、能役者の仲間に交じって、宴楽に来たのを、当主の頼房が見つけて、
(武士の体面を穢すもの)
と、手討にした。
その場所は、館から四町も離れている木立の中だった。
晩になって、
(野犬が吠えておる。あの首はどうしたろう)
と、うわさになった。
頼房は、そばにいる千代松(光圀の幼名)に、
(首を取りに行けるか)
と、たずねた。
うなずいたので、頼房は、脇差をさずけて、では持って来いと、試みた。
昼間でも女たちは恐がって行かない場所である。千代松が、そこへ行ってただ困ったことは、人間の首というものが考えていたより重かったことである。
仕方なく、首のもとどりに、縄を結びつけて、ごろんごろんひき摺って帰って来た。
頼房は、そう賞めもせず、そのあとでまた訊ねた。
(もし戦場で、わしが仆れたら、そちはわしを助けるか、どうするか)
すると、千代松は、
(お助けしません。おからだをのりこえて、その敵と戦います)
頼房は、この子はと――その頃から特に愛をふかめ出した。といっても、膝にあまやかすことではない。