Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lee 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 577.271 caracteres · 1141 pantallas

Aozora Bunko

「窮鳥ふところに入れば何とやらいうたとえもある、決して他言はしないから、どんな事か言ってみるがよい」

「私はほんとにその窮鳥なのよ。宗門役人には尾け狙われるし、世間の者はみんな仇のようだし、それに何より困るのは、楽々と寝る家がないことなの。……ねえ馬春堂さん、可哀そうだと思って、私を当分の間ここの家に泊めてくれない? ……その代りには、お金なら勝手を知っている切支丹屋敷の官庫から、幾らでも私が夜半に持ち出して来て上げるわ」

これは窮鳥どころか願ってもない鴨がかかって来たわい――と馬春堂は一も二もなく承知して、思わずその晩の酒を過ごしました。

率八が帰りに寄ってみた頃には、先生はもう他愛なく酔って醜態を究めております。ただお蝶と率八があまり仲よく話し込む時に、とろんと睨みつける嫉妬らしい眼だけは、多少本性にたがわぬところがないでもない。

思わずグッスリと寝込んで――その明くる朝。

「おや、お蝶は?」

と彼はムックリ起きに、何より先に家の中を見廻しました。しかし、馬春堂なるもの安んじて可なりであります、お蝶はこの家の世話女房になりすまして、小忠実に勝手で働いている。