Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lee 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 577.271 caracteres · 1141 pantallas

Aozora Bunko

煙草色の船

命をうけて、松平源次郎は、黙念と一礼して、ふところから一帖の綴じ物を取り出して読む。

白石が復命した調べ書です。

――原文はあまり長きに失しますし、本篇の筋には関係のない部分もありますから、ここに概要だけをつまんで申しましょう。それはつまりピオの生涯記です。

……………………………………

耶蘇紀元一五九五年は、日本の文禄四年で――吉宗の代をさること百二十余年前、羅馬の貴族ピオは、日本へ渡った。

彼は、羅馬十二王家のうちの首座の家すじであった。しかもピオは、王家の世襲とする宝剣と「鶏血草」の種子だけを持って、海を越えた。

その動機は、首都における王族間の内乱と、失恋であると想像される点があった。

ピオは初め、天草支会に身を寄せて、やがて、普通の伝道者のように、京都へのぼった。

それは、慶長八、九年前後であった。

当時は、秀吉歿後、いくらか、異教徒の往来もあり、伝道も黙認されていた。ピオの目的は、関東京坂の貴顕の間にとり入って、徐々と曙光を見、晩年には実行の端緒にはいった。

天下は二勢力に分れていた。彼は大坂の秀頼の許しと、関東の大御所の印可とをあわせて得て、日本に一大耶蘇会堂をたてる目的の下に、地を捜すための旅に出た。